「やらさせていただく」を使っているビジネスパーソンは意外に多いのではないでしょうか。結論から言うと敬語表現として「やらさせていただく」は間違った表現になります。「やらさせていただく」をビジネスシーンであなたが使っていた場合、早急に使うのをやめて正しい敬語表現に直しましょう。また口頭で「やらさせていただく」と言ってしまいそうな人は正しい敬語を口に出して練習し、恥ずかしい思いをしないようにしましょう。その場では、相手から何も言われないかもしれませんが打ち合わせ終了後や会議の終了後に相手から笑われているなんてことも…。信用を得ることが大事なビジネスにおいて、敬語を間違って使ったせいで取引に繋がらなくなるなんてことは避けましょう。
「やらさせていただく」は間違い敬語?
「やらさせていただく」を使っている人は、「やる」を敬語表現にしようとしているのではないでしょうか。しかし「やらさせていただく」と表現した場合、「やる」と「させていただく」がいずれも自分が行うという表現を指しているため、意味として重複してしまいます。特に就職活動中の学生や新社会人の方が面接官や上司に対して使ってしまっているイメージが強い「やらさせていただく」ですが、ビジネスパーソンとして恥ずかしい間違った敬語を使うのは恥ずかしい状態なので、今すぐ使うのを止めましょう。
「やらさせていただく」の正しい表現とは
「やらさせていただく」の正しい表現は、「やらせていただきます」になります。ただしこちらは人によってはやや嫌々やる感じや強制的にやらされている感がでてしまう為、まくら言葉に「喜んで」や「是非、自分が」といった言葉を追加することでポジティブな表現として使うことができます。また「やらさせていただいておりました」といった表現についても、何かの役職についていた場合は、「部長をやっておりました」や「部長をやっていました」という表現に変えれば、敬語として問題ありません。また何かの担当者に選ばれた場合も「担当者をやらさせていただきます」ではなく「担当させていただきます」や「選んでいただき光栄です。自分が担当します」といった表現に変えれば綺麗な敬語表現になります。
「させていただく」の意味とは
「させていただく」は「させてもらう」の謙譲表現になります。相手に対して、自分が行う動作や行動に対しての了承や許可をもらう際に使われることが多い言葉となります。ただし多用しすぎると失礼にあたったり、敬語に慣れていない雰囲気が出てしまう為、注意が必要になります。
「させていただく」を使う際の注意点とは
「させていただく」は前述の通り謙譲表現になります。そのため、「拝見」や「伺う」「申し上げる」「参る」といった敬語と組み合わせて使うと二重敬語になってしまいます。例えば「拝見させていただく」は間違った表現となり、正しくは「拝見します」になります。
「させていただく」の言い換えとは
「やらさせていただく」の正しい敬語表現である「させていただく」ですが、言い換えにはどういったものがあるのでしょうか。「させていただく」の言い換えとしては「いたします」が適当でしょう。実際に言い換えを使うケースとしては以下を参考にしてください。
「させていただく」を使う場合
「させていただく」は、相手の承諾や許可が必要な場合に使うのが正しい使いどころになります。
「いたします」を使う場合
「いたします」は、相手の承諾や許可が不要な場合に使うのが正しい使いどころになります。
「させていただく」を使った例文5選
「させていただく」を使った例文には、どのようなものがあるのでしょうか。実際に5個紹介するので、確認してみてはいかがでしょうか。
「させていただく」を使った例文1
担当引継ぎの挨拶の場合「私が御社を担当させていただきます。」
「させていただく」を使った例文2
取引先を含めたミーティングの冒頭のあいさつの場合「今回のミーティングについては、私が司会をさせていただきます。」
「させていただく」を使った例文3
新規の取引先にアポイントが取れた場合のリマインド連絡の場合「明日、ご挨拶させていただきます。」
「させていただく」を使った例文4
有給をもらっていることを部署のメンバーに伝える場合「来週の金曜日はお休みさせていただきます。」
「させていただく」を使った例文5
上司のアポイントに同行させてもらう場合「明日の打ち合わせにご一緒させていただくのでよろしくお願いします。」
「やらさせていただく」から脱却し正しい敬語をみにつけよう
「やらさせていただく」という間違った敬語を使っていたあなた。すぐに「させていただく」や「いたします」に切り替えてビジネスシーンで恥ずかしい思いをしないようにしましょう。また正しい敬語を使えるビジネスパーソンはそれだけで取引先からの信頼を勝ち取るのに有利に働きます。明日からは誤った敬語である「やらさせていただく」は封印して、正しい敬語を使うことでスマートなビジネスパーソンにランクアップしましょう。